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物語系のゲーム評ブログ(ファミコン、iPhoneからフリーゲームまで)

『ブレス オブ ファイア 竜の戦士』

特殊能力=キャラクターで物語が組み立てられた

清く正しいキャラクター・RPG

 

 

『ブレス オブ ファイア』は遊んでいて気持ちの良いゲームだ。

 

『魔界塔士Sa・Ga』にも通じるところがあるその体験は、

週間少年ジャンプの読後感と似ている。ただし、10年ぐらい前のジャンプの話だ。

主人公とその仲間たちが世界を縦横無尽に冒険し、暴れまわる。

 

エネルギーがほどばしって発散させるゲームプレイは中高生にぴったりだけど、

大人でも爽快です。全力でぶつかる感じがいいのです。

 

さて、こんなタイプの物語なら、キャラクターを立てるのが単純だけど良い作り方だ。

そして、ゲームならではのキャラクターの立て方は、キャラクター毎に性能を変えること、機能(スキル)を変えてやることだ。

物語も、その特殊能力を存分に強調させ、活躍させること。

 

 

具体的なシーンをひとつ選んでみる。

 

※ここからはすこしゲーム本編の話をばらしてしまう。

※まだ遊んでいない人は注意してほしいです。

 

僕が『ブレス オブ ファイア』で一番好きなのは盗人のダンクだ。

鍵や罠を解除するのが得意な彼は、冒険には欠かせないし頼りになる。

それに、ちょっと悪っぽくて、自分みたいに背が低いところも、感情移入しやすいのかもしれない。

何より格好良くてね。

 

つい最近、遊びなおしてみて、

ダンクの登場シーンの格好良さにしびれたので紹介してみたい。

 

***

プレイヤーたちはある街につく。

街に入ってみると、建物から道路に至るまで金ピカで、いかにもゴージャスだ。

見るからに金持ちの街だった。

 

しかも、街に入ったが瞬間、その場で不法侵入者として捕まってしまう。

セキュリティも厳重だってわけ。

で、牢屋にぶちこまれるんだけど、すでに先客がいて、ベットで寝ている。

灰色の肌をしているし、ただものではなさそうだ。

 

さあどうするか。

主人公たちは鍵も持ってない。

牢屋をくまなく調べても抜け穴はないし、力ずくでもこじ開けられそうにない。

無罪放免ってわけにもいかないようだ。

 

困った。

 

そこで、しかたなく、先の囚人と話してみると、

「かぎを開けてやろうか?」なんて簡単に言ったかと思いきや、

こともなげに牢屋に鍵を開けてくれる。

 

しかも、開けた本人は、また牢屋のベットに戻って眠り込んでしまう。

彼にとっては、牢獄は宿屋代わりでしかないってこと。

 

この囚人こそが、鍵開けの天才ダンク。

そして彼と主人公たちとのファーストコンタクトとなる。

(他にも彼にはすごい能力があるが今回の話には関係ないので割愛)

***

 

うまい登場シーンだな~って思いませんか?

 

僕も、鍵開けの得意なキャラクターとの出会いに、

こんな良いシーンが思いつけたらなあと思います。

 

 

ゲームのキャラクターを立たせるには、容姿だとか言動だとかもあるけれど、

そのキャラクターに何ができるか(システムや機能)がファーストチョイス。

 

ゲームの仲間は活躍しなければならない。

プレイヤーが使いたくなるような頼りになる性能を備えていなければならない。

そいつにしかできないことがなければならない。

 

 

冒頭の繰り返しになりますけど、

『ブレス オブ ファイア』はそんなキャラクターの一人ひとりの活躍が

すごく気持ちいいゲームです。

 

いまだったら、

『ワンピース』をこういう感じで作ればすごくいいんじゃないだろうか。